妻は精神病 今の僕の気持ち 6

本気で

『精神病なんて気のせい。』

『気の持ちよう』

『薬に頼っちゃいけない』

『頑張ればなんとかなる。』

『気合いが足りない』

と思っていた。

仕事でそれで乗り越えてきたという自信があった。

たかが25歳の自信は恐いもの知らずだった。

上司に守られて。

後輩に気を遣わせていた。

それだけの男。

気付いていなかった。

傷つくという事。

不幸には差があると思っていて。

自分が一番苦労していると思っていた。

――――――――――

―帰りの車の中。

二人とも黙っていた。

だけどどうしようもないし。

入院とか言われた。

子供達どうしよう。

母ちゃんとは仲良くないし。

仕事もどうなるんだろう。

てか俺の人生なんだろ。

コイツ気のせいでないか?

でも病気なのかな?

ホントに無理なのかな?

………………………

そのうちアパートに着いた。

「…ゴメンね。怒ってる?」
詩織が口を開いた。

「いや?なんで?」

「…だって私のせいでこんな事になって…」

「うん。でもしゃーないでしょ。大丈夫だー。なんとかなるさ!」

「…うん。ごめんね。本当に。」

「なってしまったものは仕方ないんだし、後はこれからの事を考えよう。」

「…うん…。」

(俺がしっかりしなきゃ)
って思った。

結局、この後

詩織は入院する事となる。

―続く
—————————————————————————–

『ごめんね、怒ってる?』
は詩織さんの申し訳なさ、または私に対する気遣いからの言葉だったと思います。

また、それはきっと私から出た精一杯の言葉は、言葉だけみたら優しかったかも知れませんが、心の中では混乱を極めていた為、それが表情に出ていたんだと思います。

会社が今で言うブラック企業でしたので、仕事のプレッシャーは半端じゃなく、家族を養うためにそこばかりに注力していました。

ようはキャパシティの限界を感じていました。

今思っても『よく頑張ったなぁ』と思います。

12年前の自分は、それはそれは至らないところだらけで、
それは今だってそんなに変わりません。

根本は同じ人間ですしね。

宜しければ、12年前のあなたと今のあなたを比べてみてください。

様々な心境の変化はあったと思います。

そしてそれは『経験』によるものなんだなと思います。

今の私ならまず『詩織さんの生活環境』を真っ先に整えるところから始めると思います。

その為の知識は今までの経験で蓄えてきました。

そして、一つ一つ未来のことを二人で決めていったと思います。

向こうのご両親やうちの母親を含めて、どういう生きる道があるか、どういうことが出来るか、たくさん話し合ったと思います。

ただ、それをしたとしても、今後の嵐は回避出来ないのも知っています。

大切なのは、詩織さんが自分の力で自分の人生をどう歩むかだと思います。

その為にサポートしていく。

ただ、正しい答えなんてないんだと思います。

様々な思いや想いがあったあの頃を、逃げなかった自分を、私は褒めてあげたい。
少しくらい逃げてもいいよって言ってあげたい。

『絶対に負けるか』と思った。
『絶対に逃げない』と決めた。

そしてその覚悟を持って生きた。

言葉で読めば2秒ですが、その覚悟の時間は四六時中付きまといます。

ご批判の声を稀にいただきます。
どんな言葉も私を成長させてくださるので有難いです。

それは『私』という存在を肯定してくださっているからです。

人は初めて通るトンネルは、
どんなに暗いか
どんなに長いか
どんなカーブがあるか
わかりません。

今目の前に予兆もしない災害が訪れた時にどれだけの人が正しい道を選べるのでしょうか?

弁護士じゃない人が、いきなり弁護士の仕事が理解出来るでしょうか?

子供が大人になったのが、大人です。

だから、出来ないことがあって当然です。

だから、何が言いたいかと申しますと、私に対しては何を言ってくださっても有難いです。

どんな否定的な言葉も、最もだと思い、たくさんのお言葉は私の力になります。

ただ、そう思えない人も多いのは事実です。

そう思えない人が『いじめられた』『否定された』と思ってしまい、自らの命を断つ結果になるんだと思います。

年間3万人の自殺者が出ています。

毎日どこかで誰かが命を断っています。

それを新聞なんかで読むと私は胸が苦しくなるのです。

それは色々そういう経験をしたからで、胸が苦しくなるのは私のエゴです。

だから、少しでも自殺の少ない世の中にしたいというささやかな願いがあります。

自分で自分を傷付ける姿を見るのが、私はとても胸が苦しくなるのです。

だから、これは私のわがままですが、もし出来るのならば、なるべく人を否定しないで生きて欲しい。

私は大丈夫です。たくさんのお言葉に支えられています。

私以外の人に対しては出来れば宜しくお願い致します。

そうすれば、悲しい想いをする人が、少しは減るんじゃないかと思います。

人類はより良いものを求める為に争いを重ねて生きてきました。

そしてそれは個人レベルから始まるのだと思います。

私が言うのもなんですが、詩織さんの考えや気持ちをそこまで組み込むことが出来ずに突っ走った結果が今に至ります。

だから、自分も悪かったと思います。

どちらかが悪い。
どちらかが良い。

のではなくて、

両方が同じ世界で生きているので、お互いに認め、尊重し合うのが大切なんだと今は思います。

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