妻は精神病 今の僕の気持ち 24

金銭感覚の麻痺が起こりやすいそうだ。

詩織は幸い、金遣いは荒く無かったが病院の友人の話を聞くとゾッとした。

よく聞く話かも知れないが、

一日で2万円をパチンコで生活費を吸い込まれ、さらに3万入れて負ける。
毎日百円ショップで豪遊。
ブランド買いあさり。
外食しまくり。
…等々。

結局、自分の収入以上の浪費癖を持つ事も多いそうだ。

逆に詩織はお金に変な執着があり、毎日つける自分の家計簿が一円でも合わないと何時間でも計算し続けた。
掃除も、とにかく整理整頓が気になるらしく、定物定地に定まっていないと、どんな小さなおもちゃでも何時間でも探し続けた。

『物が無くなる=自分が捨てられる』
と感じてしまうそうだ。

あまり酷くなると、心因反応(精神的ストレス等によって起こる身体的反応)が起こり過呼吸、痙攣などを引き起こす。

「お母さん!行かないで!お母さん!お母さん!」
と叫び続ける事もあった。

詩織の母親も体調があまり良くはなく、詩織が幼い頃からしょっちゅう入院をし、その度に少し離れた親戚に預けられたそうだ。

その姿を見る度に、子供達には淋しい想いをさせられないと心に刻んだ。
そして、詩織の背中を撫で続けた。

「…もう大丈夫だから安心して」

むせび泣く詩織を撫でながら、たまに涙が溢れる時があった。
この子は幼い頃のその小さな心を傷つけ痛め続けてきたんだな…
そう思うと胸が切なくなった。

―続く
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『タクティールケア』というものを最近知りました。
認知症患者や癌患者に安心感や痛みの緩和をする為のケアです。
それは日本語でいう『手当て』と似ています。

手を当てるだけ
さするだけで相手に安心感を与えられる。

平たく言うと『背中をよしよしすること』です。
なんとなく気配で感じていたのですが、効果はあると思います。

ずっと背中を擦り続けていた時に、
『…なんとなく…楽…』
という詩織さんの心の声が聞こえたような気がして、ずっと擦り続けていた記憶があります。

詩織さんの背中をさすり続けたことが一つ、緩和ケアに繋がっていたのかも知れません。
『親子の触れ合い』とは良く聞きますが、たくさんの触れ合いが相手の心を開き、安心感を与えられるのだと思います。
それが行き過ぎると、言葉は悪いですが自由な性生活に繋がるのだと感じます。
いわゆる『寂しかったから』というやつです。

幼少の頃からの親子の触れ合いというのは、すこぶる大切だなぁと思いました。
これは良かった行為だと思います。

詩織さんの『見捨てられ不安』はとても辛かったと思います。

自分も経験しました。

ただ、私は大人になってからだったので、まだ支えてくださる存在がありましたが、幼少期の絶対無二である母親が居なくなるというのは、想像を絶する辛さだったと感じます。

たった一人でそれに耐えてきた詩織さんの気持ちを思うと今でも涙が出ます。
大人になって理屈はわかっても理解できないと思います。

自分ではどうしようもない大きく理不尽な力に引き裂かれる心を思うと、胸が苦しくなります。
だから、『愛』は大切なんだと気付かされます。

本当の優しさとは相手を慈しむことであって、
それは自分が辛くても相手のことを想うことであって
そして人はそれを愛と呼ぶんだと思います。

笑顔を見せること。
温かい言葉を掛けること。

誰にでも出来る愛があります。

自分がいっぱいいっぱいになると、愛を忘れてしまうのだと思います。

自分はまだまだ至らない人間だけれども、いつでも笑顔で、愛のある言葉を言える人間でありたいと思います。

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コメント

  1. よりこ より:

    温もり。感覚のレベルでの「愛」が大切だと理解する出来事があったのですね。
    笑顔が浮かべられない人も、優しい言葉を知らない人もいます。
    自分の誠意を全て捧げても、ずたずたにして返してくる人もいます。
    詩織さんのお母さんは、そういう人だったんじゃないでしょうか。
    貴方と詩織さんのような人達の世界はまだまだ溝があると思います。
    でも理解しようとすることが一歩と仰っていましたから。
    お互いに優しさで生きていける世の中になっていって欲しいですね。

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