妻は精神病 29

「そうは言っても頼りになるのは旦那さんしかいないのだからしっかりしないとね。」

はい、その通りです。

正しい答えです。

正直、みなさんがなかなか理解しがたい部分がそこなんだと思う。

精神病の人間と付き合う事を一言で述べると

『イバラの道を丸裸で進むようなもの』

だと思う。

実際の世界ならば、

じゃまな枝は切り落とすハサミがある。

革の手袋もあるだろう。

頑丈な靴もあるだろう。

しかし、心の領域にはそれがない。

人間の心とは何と儚く、脆いものか。

それは数々の事件を見てもわかるだろうし、

自分が生きてきた人生を振り返ってみればわかるだろう。

なるべく辛い思いをしたくないのが人間。

だから便利を求める。

ゴールの見えないイバラの道。

最初は身体も元気

気力も充実しているだろう

徐々に傷ついていく身体

欲しいと願う

よく切れるハサミが

強い手袋が

破れない靴が

少し道が良くなる

しかしイバラは鋭さを増す。

傷はなかなか治らない。

治らないどころか、傷が治るその上に新しい傷が重なる。

少し後ろにはイバラの道を歩むパートナーがいる。

彼女の身体は私の三分の一の大きさで

針のムシロを被り

自らの逃れられない痛みで苦悶している

血の涙を流し

こちらを睨む

パートナーは罵倒する。

「あなたのせいでこんなに辛い思いをしている」

「あなたにこの痛みは分からない」

その針のムシロを脱ぎさればいいのに

それがわからない

出来ない

いつまで傷つけばいいのだろう

いつになったら越えられるのだろう

イバラの棘は突き刺さる

イバラの棘は増えるばかりだ

続く

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コメント

  1. よりこ より:

    私の母は原因を作り見捨てる人で、私も病みました。繰り返し努力なんてしてくれない。と人間不信になりました。世の中にはここまで理解してくれる人もいるのですね。でも、私はおそらく一生誰とも暮らしません。家族が欲しくても、暮らせないのです。

  2. あしび より:

    よりこさん、私も同じです。

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