妻は精神病 46

優菜が冬休みとの事で詩織は実家へ連れて行きたいと言い出した。

理由は『優菜が我慢しているから』との事。

冬休みの課題の一つに『弟のお世話』を上げたりしている事が気になっているようだ。

私的には嫌だと思いました。

だって健斗と離すって言うんだもん。

最初は嫌だと言った健斗。でもすぐに『やっぱりいいよ。おねいちゃん…』と淋しそうな笑顔で言った。

その何ともいえない顔に胸が締め付けられる

ちなみに子供たちの服を買いに行った帰りの車の中での話。

(子供たちのいる前でそんな話するんじゃねぇよ…)

と内心イライラしましたが、無視する訳にもいかず

「優菜はよくて、健斗は行けないとか二人をそういう風に分けるのは良くないと思う」

と言って止めさせた。

家に着き、買ってきた服のファッションショーを一通り終えて片付けている最中に優菜と二人きりになった。

「優菜…ママと行きたかった?」

優菜は小さな顔をコクンと縦に振る

「そっかぁ、パパ思ったのがさぁ、例えば健斗だけママと行って優菜が行けなかったら淋しいでしょう?二人をさ、別々に考えたら淋しい想いをさせちゃうなぁと思ったんだ。行っちゃダメって話じゃないんだ、分かってくれるかな?」

優菜「うん分かるよ…でも…」

と優菜が言葉を詰まらせた

「ん?言ってごらん」

優菜「…あのさ…この間まで健斗とずっと一緒にいたでしょう?だから今度はママと一緒にいてあげようと思って…ママ電話のくるたびに淋しい淋しいって泣くから…」

…あぁ、俺間違った。

俺はただ優菜が詩織と一緒にいたいし遊びに行きたいと思っていた

そうじゃなくて、母親の事を考えて行きたいと思っていたんだ。

隣で必死に涙を堪える優菜がいた

その小さな肩をふるふる震わせていた

「おいで」

と抱きしめた途端、せきをきったように優菜がわんわん泣き出した。

優菜に「ゴメンな」

と謝った

優菜は泣きながら「いいよ」と言ってくれた

姉の事を想い一人我慢を決意した健斗

母を想い、弟との離れに苦渋の決断した優菜

二人の気持ちが痛い程伝わった

…まだ6歳と8歳なのに…

そんな辛い思いを小さな子供たちにさせている自分がいた

辛かった。

そして詩織が来た

優菜を詩織に抱かせる

そして先ほどの優菜の言葉を詩織に伝えた

詩織は泣きながら
「ごめんねごめんね…少し向こうで優菜をゆっくりさせてあげたかったんだ、ごめんねごめんね」と言っていた

*************************

夜になって少し今後の事について話し合う機会があった

詩織は離婚を意識して帰ってきたらしい

少し病気の話をした

「…なんでおまえの母親があんな風に『あんたとあんたの母親が悪い』って言ったか分かるか?」

「私のせいだって言うんでしょう?でもさ、あなただってあぁだったし、お義母さんだってこうだったじゃない。」

「そうだ。いいかい?俺に限らずみんなそうだと思うんだけれども完璧な人間なんていないんだ。それは分かるだろう?あぁだった、こうだったと言っても、あなたが望む人間にはなれなかったし、実はみんなの事をそう俺にも伝えているんだよ。

あなたの母親は純粋な人だから、全てそれを間に受けてしまうんだ。原因は詩織自身にあるんだよ。」

「じゃあなんでそんな嫌な人間と一緒にいるのさ!もう投げ捨ててしまえばいいでしょう!」

「…惚れた腫れたで好きで一緒にいるだけならそれもいいかも知れないよ。だけど、もう俺たちは家族なんだぞ。

例えば別れたとして20年後はどうする?何をしている?もう俺たちも50歳、おまえの両親に至っては80歳近いだろう?優菜は28歳、健斗は26歳、どうする?

そしてさらに20年後、自分が70歳、優菜48歳、健斗46歳

…誰が面倒を看る?

俺は何かの時はおまえの両親を俺が看なくちゃいけないと思っているよ。それは今も変わらない。だっておまえは一人っ子だろう!?なんだかんだで俺しかいないと思っている

変な話

前も言った通り、もう詩織に対する愛情はないんだ

だから、あなたの事を好きだという人が現れて、あなたの面倒を一生看るという人が出来れば、それはそれでいいと思っている

だけど、子供たちに迷惑はかけたくないだろう?

そこは一緒だろう?

俺はそういう気持ちでいるよ。

だから、ただもう好きじゃないという理由だけで家庭を壊す事は出来ない」

詩織は泣きながら、また「あなたにだって原因はあるんだから!」と言っていた

それはそうだろうと思う。

しかし、

離婚率が90%の事実を覚えているだろうか?

あなたが試すなんて酷いと言ったあのメール

わざと体調の悪い病んだ様子のあのメール

『大丈夫?何かあった?』という優しい言葉と

たった一つ

『いつもありがとう』

の言葉が欲しかった。

続く

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コメント

  1. 有希 より:

    知恵袋からきました。

    結婚生活とは何か、
    家族とは何か、
    これから迎えるに当たって
    深く考えさせられました。

    私も思い当たるのですが
    奥さんは
    こんなに想われて、
    大切にされているのに
    その想いに応えられない自分が、
    悔しかったりかなしかったりして、
    つい暴言を吐いているのでは、
    と想像しました。

    重く強く温かい話だと思います。
    纏まらなくてすみません。

  2. tetra より:

    知恵袋でご回答ありがとうございます。
    まだ最後まで拝見できていませんが、日々悩み、苦しんだことだったことお察しします。
    生き抜く大切さがこちらのブログで分かった気がします。ありがとうございます。

  3. なみ より:

    奥さんが欲しかったのは旦那さんの愛情じゃないんですか?
    それがないのに別れないから、奥さんはイヤなんでしょう?

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