妻は精神病 69

2月6日(金)
朝、早起きをして優菜のお弁当を作っていた詩織は私にキスをして送り出してくれた。

そして夜、後輩を送り家に帰宅。

家に入るといつもは起きている詩織がいなかった。

具合でも悪いのかな?と二階の詩織の寝室を覗く。

いない。

一階の私の寝室で休んでいるのかな?と階段を駆け下りる。

「詩織?」

いない。

子供達に確認するか…とまた二階にあがる。

「優菜ぁ…ッ!?」

いない!?

子供達いない!?

「優菜ァ!健斗ォ!!」

返事はない。

また一気に下へ駆け下りる。

「…風呂か!?」

ガラッ!!

「いねぇッ!!!」

ちょっと待て。

ちょっと落ち着け。

なぜいない?

実家か!?電話だ!

トゥルルルトゥルルル…ガチャ

「母ちゃん!優菜と健斗と詩織来てないか!?」

「はぁん?いないよ?どうしたの?」

「いないんだよ!!」

「はい?」

「家に帰ったらみんないないんだよ!!」

「はああ?」

「いなんだな!?わかった!切るぞ!」

「あんた!ちょっと色々電話しなさいっ!」

「分かってる!!」

乱暴に電話を切った。

詩織の実家か!?

トゥルルルトゥルルルトゥルルル…
トゥルルルトゥルルルトゥルルル…
トゥルルルトゥルルルトゥルルル…

出ねぇ!!!

詩織の友達だ!!

トゥルルル…ガチャ

「あ、もしもし優和君?どうしたの?」

「詩織どこにいるか知らないか!?」

「え!?ちょっと待って!?詩織がどうしたの!?」

「家帰ったらいねぇんだよッ!!」

「エーッ!!ちょっと聞いてないよ!まず優和君落ち着こう!私も探してみるから!」

「いないんだな!?わかった!頼む!」

…待て、買い物帰りとかに事件や事故に巻き込まれたのではないか!!?

110番だ!!!

トゥルルガチャ
「…はい110番です。事件ですか事故ですか?」

「あ、いや、家に帰ったら妻と子供がいなくて、それで、何か事件にでも巻き込まれたのかと、何かわからないかと、連絡したのでが…!!」

「分かりました。最寄の交番に警察官を向かわせますので、そちらで詳しい事情をお話下さい。」

「分かりました!すぐに向かいます!」

受話器を置いて近くの交番へ向かう途中、警察署から携帯電話に連絡が入った。警察署で事情聴取するとの事。お役所仕事がァ!!と半分怒りながらも方向転換をし警察署へ向かう。

夜21:30に生活安全課長の高本さんより奥の事情聴取の部屋へ連れて行かれる。

「…ご主人さん。奥さんとお子さんの安全は確保されています。ご安心下さい。」

「…うン?…なに?」

「奥さんとお子さんは然るべき施設に入っており、身の安全は確保されていますのでご安心下さい。」

「…施設って…?」

「女性の方の為の『シェルター』ってご存知ですか?いわゆるDVなんかで駆け込む『駆け込み寺』みたいな…そこにいるんですよ。」

「…とりあえず大丈夫なんですか?」

「ええ無事です。ご安心下さい。」

「良かったァーーー!!!」

本当にそう思った。生きていることが何より安心した。

土日は家にいることを伝え、施設ではなく元となる連絡先を教えてほしいと言ったが、聞いてみないと分からない、後で連絡するとの事で一時帰宅した。

上司に電話をして明日休む旨を伝える。

非常に嫌そうな困った声を出す。

わかる。仕事に穴を開けてはいけないというのは。

「…すみません、人生の岐路ですので…」と渋々了解をいただく。サラリーマンの憂慮。

 明日には連絡が来るかな…などと考えながら床についた。

続く

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コメント

  1. かな より:

    悲しい。
    そりゃ、あんな暴言吐いたら女性の心はもたないです。暴力と同じですよ?傷は目に見えませんが。

  2. よりこ より:

    受け止めきれなかったのか…お互いが一生懸命で、それなのにこうなってしまう。
    毒親のせいで…泣きたいです。

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